2010年11月13日:明治神宮大会大学の部一回戦・九州産業大学vs東京農業大学生産学部(神宮第二球場)

SCORE
Team 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 R
東京農業大学生産学部 0 0 0 0 3 0 0 0 0 0 0 3
九州産業大学 0 0 0 0 2 0 0 1 0 0 1X 4

STARTING MEMBER
東京農業大学生産学部 九州産業大学
打順 守備 名前 打順 守備 名前
1 渡邊 1 鈴木
2 清野 2 江崎
3 杉谷 3 白川
4 トマセン 4 百崎
5 布山 5 吉田
6 鈴木 6 小山
7 井野 7 千登勢
8 比嘉 8 加藤
9 陶久 9 下平

PITCHERS
東京農業大学生産学部 陶久→●長谷川
九州産業大学 下平→榎下→武田→仲野→○新西

CHANGE
東京農業大学生産学部 清野→久保田(8回表代打)
久保田→野崎(8回裏遊撃手)
陶久→長谷川(10回裏投手)
九州産業大学 下平→桐明(5回裏代打)
桐明→榎下(6回表投手)
吉田→小濱(7回裏代走)
榎下→河野(7回裏代打)
小濱→秋山(8回表一塁手)
河野→武田(8回表投手)
武田→仲野(9回表投手)
仲野→新西(9回表投手)

HOMERAN
東京農業大学生産学部 鈴木(5回表3ラン、下平)
九州産業大学 加藤(5回裏2ラン、陶久)

 今年の最後の観戦大会、明治神宮大会。 出場チームと日程的に、75%ぐらいはツボをつきまくる観戦となりました。 …あと25%?…関西学生連盟代表が(略)
 贅沢は言わずに、この日は朝から観戦です。 大学の部は基本的に午後からで神宮開催なのですが、1試合だけ朝9時開始、 しかも神宮第二球場に追いやられての試合です。 九州三連盟代表・福岡六大学所属の九州産業大vs北海道二連盟代表・北海道連盟所属の東農大生産学部。 …正直、「明治神宮大会」で「神宮第二球場」で「九州産業大を観戦する」というのは、 個人的には大きなツボです。 一番最初に観戦した明治神宮大会、 同じシチュエーションでしたから。 まあ、この日は綺麗に晴れてくれましたが。
 九州産業大の先発は2年下平投手、 東農大生産学部の先発は2年陶久(すえひさ)投手。2年生対決です。 …というか…九州産業大、なんとなく予想していましたが、 エース&ドラフト指名された4年榎下投手を先発させませんでした。 下平投手もいい投手だということは知っていますが、 なんというか…色々考えると微妙ですね。 ともあれ、序盤は完全に投手戦でした。 初回こそ、陶久投手は走者を背負っていましたが、 それ以降は淡々と抑えています。 球は速くないのですが、コントロールが凄くいいです。 下平投手も死球1つのみで、全く打たれませんでした。
 が、流れがいきなり変わったのは、5回表。 3年トマセン・ダニエル選手(スコアボード記述は「トマセン」でした。 見た目は完全に外国人ですが、デンマーク人と日本人のハーフで、 生まれも育ちも神戸だとのこと)がヒットで出塁。 更に、4年布山選手がバスターエンドランを敢行してそれがヒットとなります。 ここで、右翼手が三塁へ悪送球(そんなに悪くない球ではありましたが)してしまい、 走者が二、三塁。 ここで下平投手の動揺を狙ったのか、4年鈴木選手ががつんと3ラン。 いきなり3点のビハインドは痛いです。 ちなみにこの鈴木選手、東農大生産学部のサイトを見ると、投手となっています。 投手からの転向組なんでしょうね。それでこれかあ…。
 が、九州産業大も負けてはいませんでした。 直後の5回裏、3年主将千登勢選手がヒットで出塁すると、 1年加藤選手がここで大きな当たり。 ぎりぎり右翼フェンス上に当たったかどうか、という感じでしたが、 審判の判定は本塁打。2ランとなります。
 この1点差の場面で、九州産業大は6回表から、榎下投手を登板。 7回表は布山選手に死球、鈴木選手にヒットを打たれて一死一、三塁のピンチだったものの、 3年主将井野選手のスクイズを外したら、 何故か三塁走者が飛びだしていて三捕間で挟殺。正直、助かりました。 2イニングを無失点に切り抜けて、次の攻撃で代打を出されてお役御免でした。
 1点を追う九州産業大。7回裏は相手の失策・ヒット・四球で満塁とし、 榎下投手に代打を出して勝負をかけたのですが、残念ながら点数にならず。 それでも8回裏に、3年百崎選手が二塁打で出塁すると、 3年秋山選手が適時二塁打。2本の長打で同点とします。
 ただし、もう榎下投手が使えない九州産業大。 8回表は3年武田投手が登板し、4年白川捕手の盗塁刺殺もあって切り抜け、 9回表は4年仲野投手が登板。 いきなり途中出場の2年野崎選手にヒット、3年杉谷選手 (日本ハム杉谷選手の実兄さんだそうで)に四球を出して、いきなりピンチ。 しかも次打者はトマセン選手。 が…何故かここで、トマセン選手は犠打の構え。 それもあり、仲野選手は見事に三振にとります。これは結構大きかったです。 ここで1年新西投手に交替します。 ここで布山選手がライナーに近い中飛だったのですが… どうやらエンドランがかかっていたらしく、二塁走者が飛びだしていました。 そしてそのまま、二塁へ戻れずにアウト。なんて九州産業大にはラッキーな併殺。
 が、肝心の打線の方が、陶久投手を打ち崩せず。 延長戦に入ります。
 10回表。鈴木選手がいきなり、大きな当たりを放ちます。 フェンス直撃コース、うっかりするとフェンスオーバーに近い当たりでした。 が…これを、右翼手の小山選手がびっくりのジャンピングキャッチ。 この日は悪送球などもありましたが、そもそも右翼から三塁へナイススローを狙えるぐらいの肩の持ち主。 守備は良さそうだなあ、とは思っていましたが…。 これはビックプレー。 更に、内野手の頭を超えそうな打球も、二塁手の加藤選手が追い付いてしまったり。 …前の回も含めて、新西投手に何かラッキーな風でも吹いていたのでしょうか。
 逆に、不運だったのが、それまで好投していた陶久投手。 10回裏も登板しようとしていたのですが…マウンドで何やら異変。 脚をひきずりながら、降板となってしまいました。 後日情報が入り、幸い脚が攣っただけだったようで何よりでしたが…。 ここで2年長谷川投手に交替。右サイドハンドでなかなか打ちにくそうで (個人的に好みです…笑)、九州産業大打線はここは沈黙。
 11回表。新西投手はヒットと四球でピンチを作りますが、 ここは自力で切り抜けます。 そしてその裏。秋山選手が死球で出塁すると、 小山選手が素晴らしいバントヒット。この選手、脚も速いです。 更に千登勢選手がポテンヒットで、満塁。 そしてこの日2ランを放った打撃好調の加藤選手、 ここでサヨナラ適時打! 非常に緊張感の高い試合、最後は劇的に終わりました。 これで九州産業大の4年生の引退が延び… 翌日、國學院大と対戦することが決定しました。 個人的には更にハラハラドキドキになりました(苦笑)。
 個人的には、東農大生産学部の陶久・長谷川投手も、 またいつか見てみたい投手になりました。